日々の雑感

大学行った「のに」無職ではなく、大学行った「から」無職なの。

Youtubeのコメントに

大学行ったのに無職なの?

といった内容のものが2件ほど書かれておりました。

大卒だろうが、高卒だろうが、無職になるやつはなるだろうと思わないこともないですが。

私の場合は、むしろ大学に行ったことによって無職になれたというパターンなので、ちょっと説明してみます。

端的に言えば、大学時代の経験を通じて知見が広がり、無職をやることに対するハードルが下がったという感じです。

 

大学までは、自称進学校経由でいわゆる社会のレールといったものの上を、何不自由無く進んできました。

人付き合いが絶望的に苦手だったので不気味な子供ではありましたが、

頭の中では、普通に就職して、たまにある幸せを噛み締めながら老いていければそれでいいやと思っていました。

歯車が狂い始めたのは、高校3年生の夏。

受験勉強の疲れで血迷ったのか、突如、進路希望を変更。

それまでは、実家の近くの薬学部へ行こうと考えていました。

判定はAだったので、問題なく合格できる範囲でしたが、

薬剤師の資格さえ取っちゃえば食いっぱぐれないだろうし、人生安泰ウェ~イみたいな、浅はかな志望動機だったと思います。

しかし、変更した先は、生物の生態が学べるような学科でした。

薬学部と比べると、人生安泰コースからは逸れていますが、

なんかもう嫌なこと(化学)して大学時代過ごすより、興味あることやった方が良くない?

そっちの方が後の人生にとってもプラスじゃない?

という悟りを開いた結果、

頑張って堅実コースより、楽だけどやや堅実からは外れるコース(当時の認識)を選択しました。

今思えばこの頃から、無職への布石は打たれていたのかもしれません。

 

その後、琵琶湖の横にある某大学の生物系学科へ進学。

そこでの自由な大学生活が、私の中の社会のレールに沿った堅実ルートで行こうという観念をブチ壊しました。

 

まず、一人暮らしを始めたことにより、ただ生きていくことの簡単さを知りました。

生活費をなんとなくですが、把握することができて、

このくらいならバイトでも生きていけるわと思いました。

 

そして、アルバイトを通じて、楽な仕事もあるんだなぁということを知りました。

当時はコンビニ夜勤をやりまくってましたが、バックヤードで仮眠しつつ、入店音聞こえたらレジへという感じで、

7時間勤務の中で実務時間は2時間くらいでした。

 

私の場合、生きていくのに必用な生活費は一般水準以下。

→一般水準以下の所得で良いや。

一生アルバイトでも良いやと思える。

→正社員やらなくてよくね?

といった思想の完成です。

 

じゃあ、一生アルバイトやるとして、それ以外に何したいの?どうやって生きていきたいの?

という話になった際に、

ひとまず旅行はめっちゃ好きだったから、定期的に旅行には行きたい。いろんな所にも住んでみたい。

やっぱ植物育てるの好きだし、野食も好きだから、将来は食べられる庭作りたい。

 

じゃあ、「一生アルバイトやりつつ、たまに旅行しながら、最後はどっかに土地買って植物育てながら暮らそ」

というのが、大学時代に作った人生計画でした。

あれから色々修正は入っていますが、骨組みは変わっていません。

この計画の作成には、バイトやりまくったり、一人暮らしやったり、旅行行きまくったり、川で魚乱獲したりした大学時代の自由な時間が必要だったと思います。

もし、進路変更をせずに薬学部に通っていたら、

実家ぐらしで私の生活水準を知ることはできなかったし、少なくとも野食には出会ってなかったと思う。

生物系の学科に入って、これまで食料だと思えなかったセミやザリガニを食べることによって、これまでの固い頭がほぐれていって、

より自由な思考を手に入れられたような気がします。

つまり、私はあの大学に行かなければクマゼミを食べることはなかったし、

セミを食べなければ頭が固いままだったでしょうから、

薬学部行ってたら、今でも我慢しつつ社会のレールにしがみついていたのかもしれません。

 

ひとまずどんな人生であれ、今順風満帆だわと思えればそれでOK。

少なくとも、訪れる可能性の高い未来は明るいって思えればOK。

私は今無職で引きこもっているけど、人生計画上の未来にはやりたいことがまだまだたくさんあるし、

今のところは順風満帆だと思えているから、これで良い。

働いてようが、無職だろうが、人生における将来の展望への不満や過去に後悔があるなら何かしら変えるべきだと思う。

老いは待ってくれないし、親の介護もやってくるかもしれない。

不慮の事故や病の可能性もゼロじゃない。

生まれつきの障害や家族関係のしがらみのある方に対しては、私は何も言えないけど、

そうじゃないなら、今のところ日本に生まれただけで国ガチャ大当たりなんだから、

もっと欲望に忠実に生きても大丈夫だと思う。

そんな思想を作ってくれた大学時代には大感謝。

 

私は大学に行った「のに」無職をしている、のではなくて、

大学に行った「から」無職になれた、

という文章の意味が欠片でも伝われば嬉しい。

twitter:@gintarou_k

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