年収を注ぎ込めば世界一周旅行に行ける〜ポトスライムの舟〜

夜勤なう。
相変わらず労働1日目の憂鬱感は異常で、8月31日の子どもたちと同じような気持ちで出勤いたしました。
初日を乗り越えれば、あとはまだマシなのだけど(嫌なのは十分に嫌ですよ)。
何事も最初の一歩が重いものですね。
働きたくないというより、ちゃんと言えば、あの職場に行きたくないの方が正解なので、
当たりの職場を引けば、これほどの憂鬱は訪れないのでしょうけど。
まぁ年末で辞めるとして、今日の職場もあと19回くらいなので、どうにか乗り越えましょう。
バイト行く前に、ちょっと読書をしていました。
「ポトスライムの舟」という小説です。
『ポトスライムの舟』は、就職氷河期に受けたモラハラで前職を辞した29歳の主人公・ナガセが、薄給の工場勤務や内職をしながら世界一周クルーズの費用163万円を目標に節約と日常を淡々と送る姿を描いた、津村記久子による芥川賞受賞作の脱力系お仕事小説です。
geminiちゃんのまとめより引用
主人のナガセさんは、工場のラインで働いてるんですけど、
そこの年収と世界一周旅行の費用が同じだと気づくんですね。
世界一周旅行ってのは、よく店の壁に貼ってあるピースボートのことだと思われます。
半年くらいかけて世界一周をして、その費用が当時で163万円だったらしいです。
出版年は2009年ですが、うちの職場に貼ってある最新のポスターでは198万円だったので、けっこう値上がりしてますね。
実際にはこれに含まれてない費用なんかもあるらしいので、さらに数十万円はかかるみたいですが、
最低賃金労働を繰り返す日々を過ごす主人公には、そのポスターが魅力的なものに見えたわけです。
で、その費用を貯めるために貯金を始めるわけですが。
その中で子連れの友達と暮らすことになったり、ちょっと体調崩したりする中で、
最終的には目標金額を達成するも、結局は行かないことにするというようなお話。
最後の場面では、貯まった金を周りの人のために使おうという描写があり、
大切なものはここにあったんだみたいな、千と千尋のいつも何度でもみたいな終わり方です。
これに関しては、彼女は環境に恵まれていて、
母親との関係良好、仲良しの友達がいて、本職・副業ともに職場環境が良好という感じであり、
冷静に考えてみれば、恵まれた環境にいるということに気づけたということでしょう。
今いる環境に満足できるなら冒険する必要なんかありませんから、現在の恵まれた労働環境を蹴ってまで世界一周旅行に行く必要はないわけです。
もちろん最低賃金のワーキングプアであることは気にしていましたが、それ以上に環境に恵まれてるから今のままで良し!という判断でしょう。
平凡ではあるが恵まれた環境に、世界一周旅行と同等の価値があると見出だしたわけですな。
やはり恵まれた人間関係や労働環境(当たりの職場)というのは、お金では買えないものであり、
多少貧しくても、そこが満たされているだけで幸せに生きていける人もいるんでしょう。
逆に、この主人公が何も持ち合わせていなかった場合はどうなるか?
同じような最低賃金ワーキングプアではあるけど、
友達なし、一人暮らし、職場には嫌な上司がいて、仕事内容も過酷。
こちらの主人公だと、貯金が貯まると同時に退職するでしょうね。
私も色々なところを転々としたいと考えていたのは、娯楽的要素を別として考えると、
その場所での環境に満足していなかったからというのが本質的な理由です。
貧しかろうが、良好な人間関係と労働環境に恵まれれば、引っ越しをする必要もないわけです。
私の現状を考えてみると、労働環境ダメ、人間関係マルくらいの感じでしょうか。
これが両方ニジュウマルになれば、世界一周旅行に対抗できるくらいの価値になると思うのですが。
次の引っ越し先に期待したいところです。
まぁ若いうちはどれだけ恵まれていても冒険心を捨てられない人がいて、
何不自由ない生活に逆に病んで小屋暮らしを始めた方なんかも観測したことはありますが。
そういうのも、ある程度やることやって、歳をとれば落ち着いてくると思うんですよね。
若いうちに良い意味で可能性や好奇心を潰して、
色々諦めたり満足したりした末に、人間関係と労働環境に恵まれた土地に定住するというのが、
多くの人にとってのハッピーライフなんじゃないかなと、最近は思います。
私も早くどっかに落ち着きたいです。
twitter:@gintarou_k






